梶原航平(カジハラコウヘイ)と申します。
よろしくお願いいたします。

この作品が実際に起きた事件であることを知って
すぐにオーディションの参加を決めました。

実話をもとに作品を作ることには責任を伴うと思っているからです。
それが命や犯罪が絡むのなら尚更です。

今作に限らず、実際に起きた事件を作品にするということは必ず当事者がいて、我々の知らない場所で、我々と同じように息をしていた人間を生きるということです。

それは当事者の方にとっては葬った記憶を掘り返す行為かもしれない。

それを掘り起こした時に、当事者や親族、残された家族がどんな思いをするのか。
作品をきっかけに事件について知ったお客さんが、憶測でも事実でも
「同じクラスのあの子/同じ部署のあの人はあの事件に関わったあの人の親族なんだ」
そう拡散するかもしれない。
そうなれば、今の時代、人一人の命が消える可能性だってある。

そのリスクを共に背負うこと。
私はそれが、実話をもとに作品を作ることの責任と誠意であると考えています。

今作が取り扱う事件に関して、可能な限り記事には目を通しました。
実際、この事件の関係者の方がご存命かは不明です。
しかし、私は前述したような心持ちで今作に挑むことをお約束いたします。

加害者は紛うことなき悪人なのか
被害者はこの結末を避けられなかったのか
周囲の人間は何ができて何ができなかったのか
宮本の視点から、私に考えさせてください。